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2008年03月26日

■無駄足だけど・・・無駄足じゃなかった（２）

弁護士会館へ入って、いわれていた通りに２階の受付へ。

「予約のものですが・・・」
「はい、前金ですので５０００円お願いします」
３０分５０００円の有料相談になっている。
無料の相談会を開いているところもあるが、
予約ははるか遠く、しかも同じ用件は一度きりと条件もあって。
弁護士事務所で相談をしても、金額は同じと聞いたので、
早いところとここを選んだ。

時間まで今日の用件を簡単にまとめて待ってくださいと
用紙を渡されたので、話したいこと、今起こってること、
今後のこと・・・まとめて書くことにした。

「相談の準備ができたので３階の相談室へ」と促され
階段を上がって、その部屋へ行く。

４０代後半であろう、弁護士が座って待っていた。
「今日はよろしくお願いします」と。

「ネットの掲示板への嫌がらせと聞いてますが」
と、切り出されたので、
準備してきた掲示板のコピーを該当箇所にはマーカーを
入れてあるので、こういうことが起こっているという事実を伝える。
そして、自分がどうしたいのか、何を知りたいのか、
知ったらどうしたいのか、裁判？訴訟？告訴？

私は、もう匿名であることで、本当の名前や住所など
実際の自分であることはどこにも書かれていないこと。
相手がだれだかわからないこと。
実害がないこと。
精神的とか、そういうことは通用しないことは承知の上だったので、
「もしも」何か手があれば、程度だった。

また、警察のサイバー犯罪窓口は私の地域ではまったく
名ばかりでITに詳しい人がいないことも経験済みだった。

「つらいきもちはわかるんですけどね・・・」
もうこうきたときには、ダメに決まってる。

話してるうちに私はいつのまにか泣いていた。
それは自分はこんなにつらい思いをさせられてるのに
のうのうと平気できっと今も人の悪口を書いてる人がいることが
許せなくて、自分は何もできないと思い知らされて
虚しさのあまり感極まっていたのだと思う。

「匿名でも訴訟は起こせるんですよ」
え？と思った。
「でも、それは刑事の方で・・・民事では相手がいないと。
弁護士なんて所詮民間で、権力なんてないんですから。
前例もないし、いや相談はたくさん受けるんですよ。」
「他の弁護士さんならもっとちがう答えが出るかもしれない」

面倒だ、勝ち目ないのに手間のかかるのは受けない、
警察に行けば?そう遠まわしに言っているのだ。

３０分なんてあっという間。
「この辺でいいですかね。ちがう担当の日にもう一度来るといいかもね」

何のために事前に確認したと思ってるんだ？
受け付けられない、専門外なら初めからそう言ってくれたらよかったのに。

それにしても、本当にインターネット関係はまったく無知で驚いた。
「これが掲示板？読むのも面倒だね」
「ブログって？」
「まあ、見たいとも思わないけどね」
「チャットって？」
「カメラには動画が写るの?だれが話すの？」
「へー、そんなことできるんだ」
「IPってなに？」
「プロバイダー？」
そんな説明をする方が長かったような気がする。
田舎はそんなものなのかも・・・。
もっと勉強して欲しいですね。

相談室を出て、帰ろうと階段を降りてるうちに
悲しいのか虚しいのか、怒りとも
なんともいえない感情に襲われて、座り込んで号泣してしまった。

「何しにきたんだろう？」

でも、初めからそうなることはわかっていたはず。
「もしかしたら・・・」そんなすごい低い可能性を見出せたらと思っていただけで。

もっと親身な弁護士にあたっていたら、気持ちもちがったかもしれない。
だけど仕方ないじゃない、本気で何かをしようと思ってるわけじゃないんだし。
いや、来るまでは本気だったかもしれない。
泣き寝入りなんてごめんだって。

何もできなかったこと、変わらない現実に
今日のことは確かに無駄で、バカに思われる方もいるでしょう。
でも、何もせずにはいられなかった。

今、色々わかって、もう叩かれるネタもみんななくして
きっと落ち着くと思うことができるようになって。

やっと、気持ちが上向きになっています。

無駄足だったけど、勉強になった。
経験値が増えたことは、きっと後々無駄足じゃなかったって
思える日がくると信じてる。

自分を守るのは自分。
でも、大切な人が同じようなことになったら、
やはり何かできる自分でありたい。

言うより言われてる方が、絶対に健全なのだ。

ちょっと成長した自分がいる。